【体験談】SESで3年間テストだけ。スキルがつかない現実、それでも市場価値はあった

体験談

「このまま一生、テストしかやれないのか」——そう思いながら、今日もExcelのテスト仕様書を開いたことはありませんか? SESで働いているのに、コードを書いた記憶は入社研修のとき以来。開発した感覚も、達成感も、ずっと遠い話に思えてしまう。 試用期間もいつまで経っても終わらない。成長している気がしない。しかし、自信がなく辞める勇気もない。 この記事はそんな方に向けて書いています。

本記事は実際の体験談をもとにしていますが、 個人・企業が特定されないよう内容を一部編集しています。

登場人物紹介

Kさん(仮名)28歳・関東在住・SES企業勤務 大学卒業後、プログラマーになりたいという夢を持ってIT業界へ。「未経験でも育てます」という言葉を信じて、社員数50名ほどの中小SES企業に入社。入社当初は「さまざまな現場でスキルを積める」と聞かされていた。


SESでテストばかりは普通?3年間スキルがつかなかった実態

Kさんが入社したのは25歳のとき。採用面談では「最初はテストから始まってもらうけど、そのうち開発もやってもらう」と説明を受けていた。

最初に配属されたのは、金融系の古い基幹システムを担う現場だった。このシステムが作られたのは約20年以上前。使われている言語も技術も、今の転職市場ではほぼ需要がないものだった。

最初はしょうがないかな、と思っていた。未経験なりにチームに貢献していけば、成長できるだろうという希望がまだ心にあった。しかし3ヶ月、半年が過ぎても、担当はずっとテスト仕様書の確認と手動テストの実行だけだった。1年が経ったとき、Kさんは上司に相談した。

「開発フェーズに入れてもらえないでしょうか」

返ってきた言葉は、「まだ早い」の一言だった。
2年目も、3年目も、同じ現場、同じ業務。スキルシートに書けることは、入社した年からほとんど増えていなかった。

試用期間が終わらないのは違法?SES企業で起きていた問題

もうひとつ、Kさんを追い詰めていたことがあった。試用期間が一向に終わらないのだ。

契約書には「試用期間3ヶ月」とあった。ところが3ヶ月後の面談で「もう少し見せてほしい」と言われた。6ヶ月後も同じ言葉が繰り返された。

辞めさせたいわけじゃないけど、正社員にもしたくないってことなのかな、と段々気づいてきた。だからと言って証拠もないし、何かできるわけでもない。何より次の仕事が見つかるか不安で、声を上げられなかった。

給料は月23万円。残業は月平均35時間ほどあったが、みなし残業として固定されており、実際にはカウントされなかった。残業しても給料は変わらない。スキルも上がらない。しかし毎月、また来週も同じ場所に来なきゃいけない。あの虚しさは今でも覚えている。

試用期間は一般的に3〜6ヶ月程度が目安とされており、企業や職種によっては1年程度に設定されるケースもあります。ただし、それを超えて明確な理由なく延長が繰り返されている場合は、契約内容や運用に問題がある可能性もあります。「会社側の都合で不安定な立場に置かれている」と感じる場合は、一度、転職エージェントや労働相談窓口などに相談してみるのも一つの方法です。

SESはやめとけと感じた瞬間|転職を決意したきっかけ

転機が来たのは、入社から3年目の春。同期の友人がSNSに「初めて自分が作ったアプリがリリースされた!」と投稿していた。

その一文が、Kさんの胸に刺さった。

「あ、自分は3年間、何も作っていないんだ」

その夜、久しぶりに自分のスキルシートを開いた。書けることが、入社当時とほとんど変わっていなかった。

このままじゃ転職もできない。だがこのままでいたら、さらに転職が難しくなるような気がする。その焦りと恐怖が、初めてちゃんとやってきた。

SESから転職できる?テスト経験3年でも評価された理由

Kさんは翌週から、土日の時間を転職活動に充てることにした。ITエンジニアに特化した転職エージェントに相談すると、思いがけない言葉をもらった。

「テスト業務3年の経験は、QAエンジニアとして評価できます。需要のある分野ですよ」

ずっと「自分には何もない」と思っていた。でも、客観的に見れば、立派な経験だった。その言葉が、自信を与えてくれたし、なにより今までの頑張りは無駄ではなかったと思えて、本当に嬉しかった。

面接を5社受け、2ヶ月後に内定を獲得。自社開発で開発フェーズにも携われる会社への転職が決まった。給料は月28万円。試用期間はきっちり3ヶ月で終わった。

入社から半年後、初めて自分が関わったシステムのリリース日を迎えた。

あの達成感、社会人として働き始めてから一度も味わえなかったものが、ようやく来た。涙が出そうになるほど充実感にあふれていた。

SESでスキルがつかないと感じたら|市場価値を知ることが最初の一歩

「辞めたい」と思い続けて、3年が経っていた——そんな話は、決して珍しくありません。

特にSES・客先常駐の現場は、自分一人では環境を変えにくい構造になっています。声を上げても「まだ早い」と言われる。試用期間が終わらない。スキルが積み上がらない。その理不尽に、じっと耐え続けてしまう。

でも、それはあなたの能力の問題ではありません。環境が、あなたの成長を止めているだけです。

そしてもう一つ、多くの人が気づいていないことがあります。
自分の市場価値は、思っているより正しく把握できていないということです。

「何もできない」「スキルがない」と感じていても、実際には評価される経験や強みをすでに持っているケースは少なくありません。

限界を感じているなら、逃げていい。それは逃げじゃない。戦略的撤退です。

今の現場にしがみつく理由が「怖いから」だけなら——もう十分、頑張ってきた証拠です。
次の一歩は、「調べるだけ」「話を聞くだけ」でいい。
自分の価値を知ることから、状況は少しずつ動き始めます。
動き始めた人に、チャンスは来ます。

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